地球温暖化の問題は、環境に関する多様な分野が関係しますので、環境共生学科の教育課程のどの分野も関係するといえるでしょう。
もし地球温暖化を、その発生メカニズムや抑制技術に限って狭くとらえるのであれば、主として物質循環科学に関連があります。環境共生学科のカリキュラムでも大気関係の講義を中心に地球温暖化について学習します。また研究の面では、大気循環の科学的解明やクリーン燃料化などCO2排出抑制につながる技術を扱う研究分野があります。
ただこの問題は、深刻な生態系の破壊をもたらしたり、人間の生活環境を脅かす問題でもあります。
つまり大気循環など気候メカニズムの解明をはじめとして、温暖化の結果として生じる様々な影響の検出やリスクの評価に関する技術、温室効果ガスの排出を 抑制するエネルギー関連技術も関係しますし、実際にそれらの技術を社会に広めていく社会政策など広範囲の分野が関わっています。
環境共生学科は、自然と人間社会の共存共生を理念とする学問体系を教育する学科です。
工学系としてはきわめてユニークな環境教育のプログラムであり、その体系は環境化学を発展させた物質循環科学、生態学と工学的手法とを統合した応用生態学、環境の計測や設計を扱う環境評価学から構成されています。これらは環境に関わる多様な分野と関連しています。
地学あるいは、地球を構成する大気、海洋、地殻の全体をシステムとしてマクロにとらえる地球システム科学とは異なりますが、関連する分野であることは確かです。
環境共生学科は土木・建築とは異なる学科ですが、環境共生学科には都市環境の計画・設計や景観まちづくりなど、人間のための望ましい生活環境を形成することを目的とする、建築物や都市空間に関わる事柄を学習する分野として環境評価学があります。
個々の研究としては、この学科でしかできない研究テーマはたくさんあります。
環境共生学科の教育を担当する教員は環境に関わる様々な分野においてユニークで国際的な研究を行っています。
環境共生学科のホームページの教員紹介やそれぞれの研究室のホームページをご覧ください。
また、環境問題を従来の個別分野の技術課題として最初からとらえるという考え方ではなく、環境を総合的にとらえた上で様々な技術課題に挑戦していく、という教育及び研究上の発想は、少なくとも工学部としては新しい試みといえます。
環境共生学科では、理科や数学など工学を学ぶ上で必要な基礎科目について充実したカリキュラムを組み立ててあります。
特に理科については、化学序説、生物学序説、物理学序説など、高校で習う理科の内容を含む環境共生学に必要な基礎を学習する科目があり、各自の必要に応じて基礎知識を強化できるようになっています。
環境を学ぶ意欲のある人を幅広く受け入れるために、前期日程の個別試験の入試科目は小論文のみ、後期日程では外国語、数学、理科となっており、特に理科については物理、化学、生物から得意な1科目が選択できるようになっています。
入学後も少人数教育であるメリットを活かし、学科担当教員が各専門分野の立場から、学生の得意不得意を考慮しつつ、必要な基礎科目の習得を指導します。
卒業後は、一般の企業をはじめ様々な就職先があります。
中でも、企業の環境関連部門、環境コンサルタント、環境関連の行政、公的機関、環境NPOなどへの就職は有利になるでしょう。
さらに高度な専門性を身につけたい人は大学院に進学することができます。
学科の教育科目の選択の仕方により環境関連の各種資格の取得への道も開けます。(資格についてはこちら)
また、中学校・高等学校教諭Ⅰ種免許状(理科)が取得できます。
できます。
環境共生学科のカリキュラムでは、年次が進行するにつれて、専門性が増していきます。
カリキュラムは、講義と演習、実験実習や卒業研究などを通じて、卒業後に環境関連の仕事につくための専門知識を習得できるよう体系的に組まれています。
4年次の卒業研究では、3つの基幹分野のいずれかの研究室に所属して、それぞれの分野の専門知識に基づく自主的な研究を行います。
分野ごとに就職先は異なるかもしれませんが、実社会に出て行くための十分なトレーニングを受けられるようになっています。
さらに高度な技術を身に付け、実社会に出たときに環境関連の仕事で指導的な役割を担おうとする学生には、大学院への進学を薦めます。
環境共生学科のカリキュラムでは、環境分野で活躍する専門技術者となる上で必要な知識や技術を、幅広く確実に習得することに重点を置いています。
4年間の教育プログラムを経て十分社会的ニーズに応えうる知識・技術を習得することが可能ですが、急速に高度化する環境技術をリードし国際的にも活躍できるようなエンジニアや専門家を育成するために、多くの学生が大学院へ進学することを想定しています。
埼玉大学の大学院には、環境共生学科のカリキュラムと一貫性のある環境システム工学系専攻・環境制御システムコースが設置されています。
入試問題に関しては募集要項に記載されている以上のことはお答えできません。小論文の出題の仕方については他学科などの過去の出題例を参考にしてください。
今後、各予備校が実施する進路志望別の模擬試験の結果が出始めると、予想偏差値などの情報が得られると思われます。そちらを参考にしてください。